宅建業免許の基本知識

宅建業の供託金(営業保証金)について!協会加入よりお得!?

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宅建業始める前にお金を人に預けるってマジ?

供託金のことね

供託金?なんそれ?

解説するわ

宅建業には供託金制度があることをご存知でしょうか?

そのため、宅建業を開業するには、必ずこの供託金を用意しなければなりません。

本記事では、宅建業の供託金について、その制度概要から納付方法まで、詳しく紹介していきます。

本記事のポイント

・宅建業開業には供託金が必要
・営業保証金として供託所に納付
・必要額は500万円~1,000万円


宅建業の供託金(営業保証金)とは?

宅建業を営む場合は、宅建業免許を受ける必要がある事は本サイトでも紹介している通りです。

参考記事まだ読んでない方はコチラ「宅建業免許って何?」

しかし、宅建業免許をとればすぐに宅建業が開始できるわけではありません。
宅建業の営業を開始するには、新規免許を受けた(都道府県知事から免許通知のはがきが届いた)後、「営業保証金」を供託し、その旨を届け出る事で、ようやく宅建業の開業が認められます。
※供託とは、金銭などを国の機関に預け入れる事(当事者間での法律上の目的を担保する制度)

この届け出をしないで営業した場合は、無免許営業として罰金刑の対象になってしまいます。

開業に必要な供託金について

開業時に必要な供託金は以下の通りです。

営業保証金の供託額
本店:1,000万円
支店:500万円(1店舗につき)
※供託金は事務所毎に納付が必要です

このようにかなり高額な供託金を用意する必要があります。

そもそもこの供託金制度が設けられているのは、宅建業が不動産という高額な目的物を取引する事が背景にあります。
万が一宅建業者の責任で、顧客に対して大きな損害を与えた場合、業者がその保証を行えるよう、その担保として営業保証金を供託させるルールが設けられました。

そのために、上記のような高額な供託金を用意する必要があるのです。

協会加入を選択することも可能

「1,000万円も用意できない」という方の為に、宅地建物取引業保証協会に加入する事で、営業保証金の供託が免除される制度が設けられています。

保証協会に加入する場合も、それぞれの協会に分担金を納付する必要がありますが、本店は60万円、支店は1店舗あたり30万円と営業保証金と比較すると非常に安価で済みます。
そのため、この保証協会への加入を選択する宅建業者も多いです。

なお、供託金(営業保証金)も協会への分担金も、どちらも宅建業を廃業すれば、返還請求し全額を取り戻す事が出来ます。

供託金と分担金の比較

事務所区分 営業保証金
(供託)
分担金
(協会加入)
本店 1,000万円 60万円
支店 500万円/1店 30万円/1店

参考記事保証協会について!どこの協会がオススメ?加入にかかる費用も解説

供託金を選択するメリット

供託金の納付か、協会への加入かは、申請者が自由に選ぶことができます

供託金も協会への分担金も、どちらも返還してもらえるのであれば、安価ですむ保証協会への加入を迷いなく選ばれる方も多いと思います。
しかし、あえて供託金を選択するメリットもありますので紹介していきます。

協会への入会費や会費が不要
保証協会は加入する際の入会費や月々の会費、また年会費などが発生し、その費用は結構な額になります。
これらは、宅建業を廃業した際には戻ってこない、払いきりの経費になりますので、その費用が発生しない点は、供託金を選択する大きなメリットと言えます。

開業までの日数を短縮できる
保証協会に加入する場合は、協会から審査を受ける事になりますので、その審査機関が数日かかります。
しかし、供託であれば、免許を受けた後すぐに供託所で手続きを行えば、1~2日で届け出まで完了する事が可能です。
この手続きの簡便さと日数の少なさもメリットの一つとなります。

供託手続きの手順

供託金(営業保証金)の納付は以下の手順で行います。

①本店の最寄りの供託所で手続き
免許申請後、無事に免許通知のはがきが届いたら、そのはがきを持参し、本店の所在地を管轄する法務局および支局の窓口に行きます。

②供託書の提出および保証金の供託
営業保証金の金銭供託用の供託書(各窓口に備え付けられています)に必要事項を記載し、供託金を必要額に不足が無いよう納付します(供託金は現金以外にも法令で定める有価証券等でも可能です)。

③供託が完了した旨の届出書を提出
供託が完了したら、「営業保証金供託済届出書」を作成し、免許通知のはがきと供託書の原本と写しを添えて、許可行政庁に提出します。

営業保証金供託済届出書(記載例)

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引用:東京都手引き

④免許証の受領
①~③の手続きが完了すると、許可行政庁から宅建業免許証が交付されます。
免許証を受領すれば、ようやく宅建業のスタートする事が可能になります。

要注意

③の「営業保証金供託済届出書」の提出は、免許通知があった免許日から3カ月以内に行う必要があります(3カ月以内に届け出がされなかった場合、免許を取り消される可能性があります)。

供託金の取り戻すには

供託金は、宅建業を廃業した後に取り戻す事が出来ます
ただし、廃業すればただちに取り戻せるわけではありません。

まず廃業届を行政庁に提出後、官報公告の手続きを行います。
この官報公告にて、保証金に関して権利を持つ者がいれば名乗り出るよう告知をします。
官報に公告されてから6ヶ月の間、誰も権利者が現れなかった場合に、その保証金の返還が認められます。

その為、諸々の手続きなどを含めると、返還までに8カ月程度の時間はかかると見ておいた方が良いでしょう。

まとめ

以上、ここまで宅建業の開業に必要な供託金について紹介してきました。

供託金を納付するか、保証協会に加入するかは、申請者が自由に選択可能です。
両者のメリットとデメリットをしっかり理解した上で、自身に適した方を選択できるよう、それぞれの制度をしっかり理解するようにしましょう。

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