保証協会ってどっちが良いの?
ハトかウサギか迷う所だね
彼女がキティーちゃん好きだしウサギにするか
あいつネコじゃない?
宅建業を開業するにあたり、多くの業者は保証協会に加入します。
この保証協会は2つの団体から任意に選んで加入しますが、それぞれ入会金やサービスなどが異なります。
本記事では、協会選びの参考となるよう、両者の違いを徹底比較していきます。
本記事のポイント
・宅建業開業には供託金納付が必須
・保証協会に加入で供託金義務が免状
・協会は2つあり任意で選択して加入
保証協会とは?
保証協会は国土交通大臣から指定を受けた公益社団法人で、宅建業に関する苦情の解決、研修の実施、取引により生じた債権の弁済等の業務を行う団体です。
多くの宅建業者を含む不動産業者はこの保証協会に加入していますが、その最大の理由は、この保証協会に加入する事で、「供託金(営業保証金)」の供託義務が免除されるからです。
宅建業を開業する為には、その事務所の数に応じて供託金を法務局等に供託する必要があり、その金額は本店だけで1,000万円とかなり高額です。
そのため、新規開業の業者などは、その供託金が不要になる保証協会への加入を選択するケースが多いのです。
母体の異なる協会が2つある
現在、国土交通大臣から指定を受けた保証協会は、以下の2つだけです。
そのため、保証協会に加入したい場合、どちらかの協会を選択する必要があります。
全国宅地建物取引業保証協会
全国宅地建物取引業協会(全宅)が母体の保証協会です。
ハトのマークが目印で加入業者が多いのはコチラの協会です。
不動産保証協会
全日本不動産協会(全日)が母体の保証協会です。
ウサギのマークが目印の協会です。
加入に関する注意点
保証協会への加入については、以下の点を押さえておきましょう。
事務所単位で加入する
業者単位で加入するのではなく、事務所単位で加入します。
そのため、例えば本店とA支店、B支店があれば、それぞれで入会金などの費用が発生します。
※本店と支店では入会金の額なども異なります。
両方に加入する事はできない
どちらの協会にも所属する事は出来ません。
これは事務所ごとにA支店は全日、B支店は全宅という加入方法も出来ません。
母体の協会にも加入が必須
保証協会にはそれぞれ母体となる協会があり、そちらの協会にも加入が必須になります。
つまり、母体の協会への入会費用と、そこに所属する保証協会への入会費用がそれぞれ必要になります。
2つの保証協会を徹底比較
それでは両者の比較をしていきましょう。
項目ごとの違いは以下の通りです。
全国宅地建物取引業保証協会 | 名称 | 不動産保証協会 |
全国宅地建物取引業協会 | 母体 | 全日本不動産協会 |
ハト | シンボル | ウサギ |
11万社 | 加盟業者数 | 3万5千社 |
有り | レインズの使用権 | 有り |
有り | 研修会などの活動 | 有り |
加盟業者はハトの方が多いですが、加入する事で受ける事が出来るサービスは基本的にそこまで大きな差はありません。
どちらもレインズ(不動産流通機構が運営しているネットワークシステム)や研修会などのサービスを受ける事が可能です。
※詳しくは各協会のホームページで確認できますので気になる方は参考にしてみて下さい
ただし、入会費や年会費などがそれぞれ異なりますので、そちらを参考に加入協会を決める方法もあります。
気になる費用の比較
それでは両者の加入にかかる費用を比較してみましょう。
※以下は東京都の本店で加入する場合です
項目 | 全宅(ハト) | 全日(ウサギ) |
入会金※1 | 500,000円 | 390,000円 |
年会費※1 | 48,000円 | 45,000円 |
保証協会入会金 | 200,000円 | 130,000円 |
保証協会年会費 | 6,000円 | 15,000円 |
分担金 | 600,000円 | 600,000円 |
その他費用※2 | 98,000円 | 60800円 |
合計 | 1,452,000円 | 1,240,800円 |
※1.母体である協会の入会費と年会費
※2.他団体(地方協会や組合)に係る費用
費用はウサギの方が20万円程度安いです。
都道府県により値段も異なりますし、どちらも常に値下げのキャンペーンなどはしていますので、一概には言えませんが、業界の共通認識としてはウサギが10~20万円程安いという印象です。
なお、上記の他に関連団体への会費・入会金などが発生する可能性がありますので、あくまでも参考金額として誤認識下さい。
結局どっちが良いのか?
両者の違いは分かったけど、結局どっちが良いの?という事になりますが、結論としては好みの問題となります。
決めきれない方は、少しでも安く費用を押さえたいのであればウサギ(全日)、加入者の多い方が安心という事であればハト(全宅)という判断でも良いかと思います。
※ただし、入会金もそれぞれキャンペーンで安くしていたりするので、管轄の支部のサイトは必ずチェックするようにしましょう
また、それぞれ開業後のサポートの一環として、契約書のひな形などが提供されますが、その書式の使い勝手も異なるようなので、どちらに加入しても保証協会の恩恵は十分に受けられますが、少しの後悔もしたくない!という方は、それぞれの協会に加入している同業の知り合いにお話を聞いてから判断されるのが良いかもしれません。
加入方法
新規で免許を取得し入会する場合、両者ともに加入手続きの流れはおおよそ以下の通りです。
①入会申し込み
入会に必要な申請書類を作成し、管轄の本部又は支部に提出します。
※宅建業免許の申請が受理されれば、審査完了を待たずに入会申し込みが可能
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②事務所調査または面接
職人による事務所調査や面接が行われます。
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③入会審査
事務所調査や面接後に、申請内容の審査があり、問題なければ入会が承認されます。
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④入会者研修会
入会者を対象として研修会が行われますので、代表者や政令使用人(支店長など)、専任の宅建士などが参加します。
※保証協会によっては無い場合もあります
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⑤免許番号決定後、入会金の振込み
免許申請の審査が完了し、無事免許が下りれば、取得した免許番号を申請し入会金や分担金を納付します。
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⑥加入完了、入金完了書類の発行
入金が確認できれば加入手続きは完了します。
入金確認され次第、宅地建物取引業免許証受領に必要な「弁済業務保証金分担金納付証明書」も交付されます。
まとめ
以上、ここまで宅建業の保証協会について紹介しました。
保証協会はどちらにしても、それぞれの協会の活動やサポートを有効に使う事は出来ますので、絶対にどちらが良いというものでもありません。
知り合いの同業者や専門の行政書士など、業界に明るい方にお話を伺う機会があれば、そこで自分が合いそうな協会を選ぶのが一番良いと思います。