宅建業免許って2種類あるって聞いたけどマジ?
めっちゃマジ
ヤバめじゃん。
俺はどっち取れば良いの?
知るかボ k・・・解説するわ
宅建業免許には知事免許と大臣免許の2種類があります。
その両方を受ける事は出来ず、自身の業態に合わせて該当する方を選択する必要があります。
本記事では知事免許と大臣免許の違いに注目して宅建業免許の種類をわかりやすく解説します。
本記事のポイント
・免許は知事免許と大臣免許の2種類
・事務所の設置状況により区分
・免許の効力はどちらも全く同じ
目次
宅建業免許とは?
不動産を扱う仕事には様々な業種業態がありますが、以下に該当する行為は「宅地建物取引業(以下「宅建業」)」と呼ばれ、宅建業を営もうとする者は必ず「宅地建物取引業免許(以下「宅建業免許」)」を受ける必要があります。
宅地建物取引業
=下記①②を業として反復継続的に行う行為
①宅地又は建物に関し、自ら売買又は交換する行為
②宅地又は建物に関し、他人が売買、交換又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介する行為
例えば、「①」はハウスメーカーが自社で施工した分譲住宅を販売する場合、「②」は街の不動産屋が物件の賃貸を仲介する場合等が該当し、どちらも宅建業免許が無いと営業してはいけません。
間違いやすいポイント
以下は宅建業には該当しません。
・自己が所有する物件を貸し出す行為(オーナー業等)
・業として行わない行為(転勤に伴い持ち家を売りに出す行為等)
これらをまとめると、以下表の〇に該当する行為を業して行った場合、宅建業に該当し宅建業免許が必要になります。
区分 | 自己物件 | 他人物件の代理 | 他人物件の媒介 |
売買 | 〇 | 〇 | 〇 |
交換 | 〇 | 〇 | 〇 |
貸借 | × | 〇 | 〇 |
参考記事宅建業免許とは?不動産を扱う方は絶対に知っておくべきポイント7選!
宅建業免許の種類
宅建業免許には種類(区分)が2つあり、そのうちのどちらかの免許を受ける事になります。
種類は以下の通り、申請者の事務所の設置状況により「知事免許」と「大臣免許」に分けられます。
事務所の設置場所 | 免許区分 |
1つの都道府県内にのみ事務所を設置 | 知事免許 |
2つ以上の都道府県に事務所を設置 | 大臣免許 |
具体例を図示すると以下の通りです。
なお、現在国内には宅建業免許を受けた業者が12~13万社存在しますが、構成比としては知事免許が98%以上を占め、ほとんどの業者は知事免許を受けて営業をしています。
本店で宅建業を行わない場合の注意点
本店で宅建業に関する業務を行わず、支店でのみ宅建業を行う場合は注意が必要です。
例えば、本業が建設業で、支店でのみ宅建業を営むようなケースです。
この場合、宅建業免許の申請上は本店も宅建業事務所として扱われますので、もし本店と支店が異なる都道府県に存在していれば、大臣免許が必要になります。
ややこしいのはこの反対で、もし本店でのみ宅建業を行い、支店では行わない場合は、その支店は宅建業事務所としては扱われませんので、本店がある都道府県の知事免許を受ける事になります。
知事免許と大臣免許の違い
それでは知事免許と大臣免許の違いについて細かく見ていきましょう。
主な違いは以下の通りです。
知事免許 | 項目 | 大臣免許 |
都道府県知事 | 申請先 | 国土交通大臣 |
宅地建物の売買・交換 又はそれらの代理・媒介 |
扱える業務 | 宅地建物の売買・交換 又はそれらの代理・媒介 |
5年 | 有効期限 | 5年 |
33,000円 | 申請手数料 | 90,000円 |
30~40日 | 審査期間 | 100日程度 |
免許の効力
扱える業務範囲や有効期限などの「免許自体の効力」はどちらも全く同じです。
知事免許しか持っていなくても全国の宅地・建物を取り扱う事が可能です。
あくまでも申請先が知事か大臣かの違いのみだと理解しましょう。
免許の申請費用
申請費用は大臣免許の方が割高です。
知事免許は免許申請時に手数料として33,000円を支払う必要があります。
大臣免許は登録免許税という扱いで、90,000円を申請時に支払う必要があります。
なお、5年に1度の更新にかかる手数料はどちらも同じ33,000円です。
免許の審査期間
免許の審査期間は大臣免許の方が大幅に時間がかかります。
知事免許は自治体によって若干異なりますが、申請が受理されてから概ね30~40日で審査が終わり免許を受けられます。
一方大臣免許は、100日程度審査にかかるため、事業を始めるまでに時間がかかる事を想定してスケジュールを組む必要があります。
免許換えについて
免許を既に持っている業者が異なる種類の免許に変更する場合(知事免許から大臣免許に、またその逆)や、異なる自治体からの免許に変更する場合(東京都知事免許から神奈川県知事免許など)を「免許換え」と呼びます。
免許換えは、通常の新規申請とほぼ同様の申請作業を行う必要がありますが、免許を受ける行政庁が変わる為、特に以下の点に注意が必要になります。
・移転先自治体の免許要件について
宅建業免許はローカルルールが多い特性があり、免許要件の厳しさが自治体ごとに異なる為、移転前の自治体ではOKだった免許要件が、移転先ではNGという事もありえます。
・移転前に申請内容に変更がなかったか
事務所名や役員が変わっていた場合は、移転前の行政庁に届け出を出す必要があります(これも自治体により扱いが異なります)。
・移転先の免許が下りるまでの営業可否
移転先の免許が下りまで、移転先の自治体で営業を行いたい場合は、事前にその旨を移転先の自治体に確認する必要があります。
許可換えは、免許を受ける行政庁が変わるため、今まで求められなかった要件や指摘を受ける可能性があり、事前に専門の行政書士などに相談される事をオススメします。
まとめ
以上、ここまで宅建業免許の種類について紹介してきました。
宅建業者は、まずは1店舗で開業するケースがほとんどですので、多くの場合「知事免許」からスタートし、事業拡大に伴って、大臣免許に移行していくケースがモデルケースといえます。
また同じ知事免許でも、どこの都道府県で申請するかによって求められる免許要件に差があるのも特徴で、知事免許を検討されている方は、申請先の手引きをしっかり確認するか、不安な方は専門の行政書士に相談されると良いでしょう。